特許権侵害訴訟(1)

訴訟

訴訟開始

訴状が届いた!

訴状が届いたらいよいよ訴訟開始です。訴状をよく読みましょう。「請求の趣旨」に「被告は、・・・してはならない。」とか、「被告は、・・・を廃棄せよ。」とか、「被告は、・・・を支払え。」とか書かれていると思います。それが、原告の要求です。

訴状といっしょに「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告書」も届きます。出頭の「期日」、「出頭場所」、「答弁書提出期限」などが記載されています。例えば、令和4年に東京地裁から受け取ったケースでは、以下のとおりでした。

第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告書の日付x月7日
同催告書に記載の答弁書提出期限x月18日
同催告書に記載の出頭期日(口頭弁論期日)x月25日

「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告書」が届いてから答弁書提出期限までの日数は、、、1週間ちょいで、「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告書」が届いてから出頭期日(口頭弁論期日)までの日数は、、、2週間ちょいでした。準備期間(日数)はとても短かったです。

もし、今この記事を読んでくださっている方が「第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告書」を最近受け取った方だとしたら、今まさに準備期間の短さに頭を抱えられているかと思います。そして、もしまだ誰に相談するかお悩みでしたらぜひ弊所にご連絡ください

ちなみに昨年の事件では、それまでお付き合いのなかった弁護士さんからお電話をいただき、その後の準備書面を作成するための全ての打合せをオンラインミーティングにて対応させていただきました。つまり、日本全国どこからご連絡いただいても対応可能です

答弁書を提出

答弁書には「請求の趣旨に対する答弁」と「請求の理由に対する認否」とを手短に記載して提出することになるかと思います。

特許権侵害訴訟における審理モデル

東京地裁知財部が標準的な特許権侵害訴訟における審理モデルを公表しています。

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特許権侵害訴訟の審理モデル(侵害論)

特許権侵害訴訟の審理モデル(損害論)

大阪地裁知財部も同様に審理モデルを公表しています。

知的財産権部(第21・26民事部) | 裁判所
裁判所のホームページです。裁判例情報、司法統計、裁判手続などに関する情報を掲載しています。

特許・実用新案権侵害事件の審理モデル

ちなみに昨年の事件では、第1回~第x回弁論準備手続期日には裁判所に行くことなく、全てオンラインで対応しました。

審理モデルの比較

東京地裁と大阪地裁の審理モデルを比較しやすい表を作成しましたのでご参照ください。大阪地裁の審理モデルによれば「訴え提起から110日頃の第2回弁論準備手続期日には属否論にめど」、「訴え提起から190日頃の第4回弁論準備手続期日には無効論にめど」とのことです。一方、東京地裁の審理モデルには日数が記載されていませんが第5回弁論準備手続期日には「心証開示」(侵害・非侵害について裁判官の考えを伝える)とのことです。あくまでもモデルですからこのとおりに裁判が進むわけではありません。ちなみに、知財高裁パンフレット「10.統計」p44の「知的財産権関係民事事件の新受・既済件数及び平均審理期間 全国地裁第一審」によると特許権以外の意匠権、商標権等も含む「知的財産権」の2020年の平均審理期間は「14.6月」です。

東京地裁大阪地裁
訴え提起0日
原告基本的証拠の提出
被告答弁書の準備
第1回口頭弁論30日
原告①訴状陳述
②基本的書証の提出
訴状陳述
被告①答弁書陳述(被告主張の概要の提示)
②基本的書証の提出
答弁書陳述(属否論についての反論)
(期日間)
被告先行技術の検索(~90 日)
双方属否論の主張・立証準備
第1回弁論準備70日
原告第1準備書面(属否論についての再反論)
被告①対象製品ないし対象方法の特定,技術的範囲の属否の主張
②無効の抗弁の主張
(第1準備書面)
(期日間)
被告無効論の主張・立証準備
第2回弁論準備110日
原告①技術的範囲の属否に関する被告の主張に対する反論
②無効の抗弁に対する反論
(第2準備書面)
被告第2準備書面(無効論の主張)
裁判所第2回弁論準備において属否論にめど
第3回弁論準備150日
原告第3準備書面(無効論についての反論)
被告①技術的範囲の属否に関する原告の主張に対する反論
②無効の抗弁の主張の補充
(第3準備書面)
第4回弁論準備190日
原告無効の抗弁に対する反論の補充、技術説明第4準備書面(無効論についての再反論)
被告技術説明(第4準備書面)
裁判所第4回弁論準備において無効論にめど
(期日間)(裁判所:専門委員の指定)
第5回弁論準備240日技術説明会の実施
裁判所損害論の審理への移行の有無の決定,心証開示(又は終結)
〔非侵害の場合〕終結・和解勧告
〔侵害の場合〕 損害論の審理 → 終結・和解勧告
第6回弁論準備280日
原告①請求の整理(根拠規定の変更の有無などの検討)
②利益額等の主張
被告 ①原告の損害額の主張に対する認否,反論
②整理された請求を前提に譲渡数量額等の開示
裁判所侵害論の判断
第2回口頭弁論・終結
和解
第7回弁論準備310日損害論の審理
原告①原告・被告の主張した数額等に基づいた損害額の主張の整理
②(原告の主張した数額等について争いがあれば)当該数額等の裏付け資料の提出
損害主張整理,証拠の提出
被告①(被告の主張した数額等について争いがあれば)当該数額等の裏付け資料の提出
②原告の損害額の主張に対する反論及び被告の主張(抗弁)
売上,利益率の開示,売上に関する基本的な証拠の開示
第8回弁論準備340日
裁判所第2回口頭弁論・終結
和解
原告被告の主張に対する反論及び立証の補充主張・立証の補充
被告原告の反論に対する再反論及び立証の補充主張・立証の補充